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エルニーニョ現象が起きるとなぜ異常気象になるの?
南アメリカのペルー沖から、太平洋の中央くらいまでの熱帯の広い海で、海面の水温がいつもより高くなる 現象を「エルニーニョ現象」と呼ぶよ。この現象が起きると、世界各地で異常気象が起きるといわれているんだ。
海面の水温がいつもより高くなって、それが半年から1年半くらい続くと、「エルニーニョ現象が発生した」といわれるよ。海上をふく風や海流などに異変が起こることが、原因と考えられているんだ。
ラニーニャ現象とエルニーニョ現象が起きたときの、太平洋の赤道あたりの大気と海洋の状態
ふつうのとき(図1)は、太平洋の上をふく東風は強くも弱くもないけれど、エルニーニョ現象のとき(図2)は東風が弱く、ラニーニャ現象のとき(図3)は強くなるよ。
それによって、海面の水温が変化し、異常気象を引き起こす原因になるんだ。
エルニーニョ現象の反対はラニーニャ現象
ペルー沖の海面の水温が高くなることを「エルニーニョ現象」って呼ぶけれど、反対に低くなることは「ラニーニャ現象」といわれるよ。
ラニーニャ現象が起きても、異常気象が起こるんだって。
日本では、エルニーニョ現象だと冷夏になりやすいけれど、ラニーニャ現象だと猛暑になりやすいんだ。
冷夏だと日照時間が減って野菜が育たなくなるし、猛暑だと水不足になる。また、暖冬になったり、寒波がやってきたりと、冬にも影響が出るんだ。
どうして「エルニーニョ現象」「ラニーニャ現象」っていうの?
「エルニーニョ」はスペイン語でEl Niñoと書き、「子ども(男の子)」という意味で、イエス・キリストのことを指すんだ。
もともとはペルーの人たちが、クリスマスごろに現れるあたたかな海流のことを、こう呼んでいたことが始まりだといわれているよ。
「ラニーニャ」はスペイン語でLa Niñaと書き、意味は「子ども(女の子)」。男の子の反対だから、女の子なんだね。
いつも監視!事前に知ることが大事
日本では、気象庁がいつもエルニーニョ現象、ラニーニャ現象を監視していて、情報を発信しているよ。
気象庁が発表している2017年3月の速報では、今はエルニーニョ現象もラニーニャ現象も発 生していない状態が続いていて、 今後もおそらく、その状態が続くと発表されているよ。
ぜひキミも気象庁のサイトをチェックしてみてね。
気象庁ウェブサイト
「エルニーニョ現象」と「ラニーニャ現象」 台風への影響は?
気象庁が1951年から2005年までの間に発生した台風を調べたら、こんな結果が出たそうだよ。
エルニーニョ現象が発生したとき
- 夏を中心に台風の発生数が、ふつうのときよりも少ない。
- 秋に発生した台風は、消えるまでに時間がかかることが多い。
- 台風の発生する場所が、夏は南、秋は南東にずれることが多い。
ラニーニャ現象が発生したとき
- 秋に発生した台風は、消えるまでの時間が短いことが多い。
- 台風の発生する場所が、夏は北に、秋は西にずれることが多い。