札幌の空を見上げてみると、とてもきれいな空気が広がっているよね。でも、ちょっと待って。本当にきれいなのかな? 実は、目に見えない汚染物質がただよっていることもあるみたいなんだ。今回は、札幌の大気汚染のことをいっしょに見てみよう!
札幌の大気汚染の歴史を見てみよう
みんなのお父さんお母さんが生まれるもっと前、昭和30年代は、主な燃料として石炭を使っていた。冬の間、札幌の空は石炭が燃えるときに出る「ばいじん」がただよって、写真1を見ても分かるように、大気はとても汚れていたんだ。なんと雪が黒くなるほどだったんだって。
昭和40年代は、エネルギー源は石炭から石油にかわっていった。工場などで使用されていた重油は硫黄分をふくんでいたため、燃やされたときに「硫黄酸化物」という汚染物質が発生。それらが工場の煙突から、排出されていたんだ(写真2)。でも、硫黄分の少ない重油が使用されるようになり、改善されたよ。
また、昭和50年代になると、雪道での自動車のスリップ事故を防ぐためにスパイクタイヤが使われるようになった。これが道路のアスファルトをけずって「車粉」というものが発生し、社会問題になったんだって。現在は、スタッドレスタイヤが使われているから、この問題も解決できているよ。
髪の毛の太さよりも小さいPM2.5
近年では、PM2.5という微小粒子状物質が問題視されているよ。海外から流れ込んで来たり、自動車の排出ガスなどにふくまれたりするものなんだ。PM2.5は、粒の大きさが2.5㎛*以下で、大気中にある粒子状物質の中でも特に小さいものなんだって。
図1を見て分かるように、その大きさは人の髪の毛の太さよりも、もっと小さいんだ。だから、吸いこむと肺の奥に入りやすいことなどから、健康被害があると考えられているよ。
*μm(マイクロメートル)とは、1mmの1000分の1で、髪の毛の太さの30分の1くらいの大きさ。
PM2.5の大きさ
粒径が2.5㎛以下の粒子状物質。髪の毛の太さ、小麦粉の粒よりも小さい。
PM2.5の健康への影響
呼吸器系の奥深くまで入りこみやすいため、ぜん息、呼吸器の疾患、心臓発作などの原因と考えられている。
私たちにできることは何だろう?
PM2.5などの大気汚染物質が発生する原因の1つは、自動車の排気ガスといわれているよ。みんなも次のことに日ごろから気を付けて行動し、大気汚染を減らすために協力しよう!
大気汚染を防ぐために、私たちができること
① できるだけ公共交通機関を利用しよう。
② おうちの人に、自動車を運転するときは「アイドリングストップ*」するように伝えよう。
*アイドリングストップとは、自動車がとまっている間にエンジンを動かすなど、エネルギーのむだ使いをやめること。
③ おうちの人に、自動車を運転するときは「ふんわりアクセル」などのエコドライブをするように伝えよう。
札幌市内では24時間大気汚染物質を測定しているよ!
みんなが住む札幌市では、市内16ヵ所の測定局でさまざまな大気汚染物質を24時間測定しているんだ。みんなのおうちの近くでも測定しているかな?
一般環境大気測定局
センター局 中央区北1条西2丁目
西局 西区二十四軒2条3丁目
東局 東区北18条東5丁目
篠路局★ 北区篠路4条9丁目
発寒局★ 西区発寒5条7丁目
東月寒局 豊平区月寒東4条18丁目
手稲局 手稲区前田2条12丁目
厚別局★ 厚別区厚別中央4条3丁目
北白石局 白石区菊水元町8条3丁目
南局 南区石山2条8丁目
山鼻局 中央区南23条西13丁目
自動車排出ガス測定局
北1条局★ 中央区北1条西2丁目
南14条局★ 中央区南14条西10丁目
月寒中央局★ 豊平区月寒中央通7丁目
北19条局★ 北区北19条西2丁目
東18丁目局★ 東区北33条東18丁目
★は、微小粒子状物質(PM2.5)の測定をしている測定局です。
環境省大気汚染物質広域監視システム そらまめ君って知ってる?
全国の大気汚染の状況について、24時間、情報提供しているサイトがあることを、みんなは知っているかな? その名も「そらまめ君」。環境省による大気汚染物質広域監視システムのことなんだ。
大気汚染測定結果(時間値)と光化学オキシダント注意報・警報発令情報の最新1週間のデータを地図で見ることができるよ。キミもアクセスして、自分が住んでいる場所の大気汚染の状況をチェックしてみよう!
そらまめ君ホームページ
http://soramame.taiki.go.jp/
監修:札幌市環境局 環境都市推進部 環境対策課