さまざまな分野のアスリートが登場するコラム。

今回は、2018年平昌オリンピックで見事銅メダルを獲得した、日本女子カーリング代表の吉田知那美選手に、お話をうかがいました!

 

カーリングを始めたのはいつですか?

私の生まれ育った北見市常呂町は、日本で初めて室内カーリング専用リンクができた町で、体育の授業でもカーリングを取り入れている、カーリングの聖地といわれる町です。なので、小さな頃から家族にくっついてカーリングリンクへ遊びに行っていました。

本格的に競技を始めたのは、小学2年生のときでした。日本にカーリングというスコットランド発祥のスポーツを伝えた小栗さんというおじいちゃんに「カーリング選手にならないか?」とさそわれたのがきっかけです。

カーリングは大人はするものだったので、その場所で自分もカーリングができることが、大人の仲間入りをしたような気持ちになって、すごくうれしかったのを覚えています。

 

小学生のときに、一番力を入れていたことはなんですか?

私が小学生のときは、カーリング以外にもスピードスケート、水泳、英語、日本舞踊、お習字、よさこい、吹奏楽などたくさんの習い事をさせてもらっていました。

私の母はいろいろなことに挑戦させてくれましたが、始めるのも辞めるのも、「自分が責任を持って決めなさい」と言い続けていたのを覚えています。

私が始めたいと言ったものはすべて挑戦させてくれましたが、私が辞めたいと言った習い事のほとんどを、「辞めてもいいけれど、自分で先生にちゃんと言いに行きなさい」と、年齢がいくつであっても、”自分の言葉に責任を持つこと”を習い事を通して教えてくれました。

辞めて後悔した習い事もたくさんあり、「やっぱり辞めなきゃ良かった」と言ったことも何度かありましたが、「辞めるって自分で決めたんでしょう」と取り合ってくれなかったこともありました。

小さな頃のこの経験は、今の私の土台となるとても大切なものでした。今までたくさんの人生の分かれ道に立ちましたが、私が大切にしているのは「何が正解か、正解だったのか」にこだわるのではなく、「自分で選んだことが正解だった」と言えるように、責任と覚悟をもって決めた道で一生懸命がんばることです。

たとえ選んだ道が間違いだったとしても、それはただの間違いではなく、「一生懸命がんばった先に間違いだったことに気付けた」ということ。それが、私だけの大切な経験にもなっています。

次号では、平昌オリンピックのことをお聞きします。お楽しみに!

 


吉田知那美選手 プロフィール

1991年7月26日生まれ。北見市常呂町出身。日本女子カーリング代表。ロコ・ソラーレ所属。2014年ソチオリンピックに出場し、5位入賞に貢献する。2016年、世界女子カーリング選手権大会では、銀メダル獲得。2018年平昌オリンピックでは、銅メダルを獲得。