みんなは、札幌伝統野菜って聞いたことはある? 札幌で昔から作られてきた、伝統的な野菜のことなんだ。どんな野菜で、どんな特徴があるのか、ここでいっしょに見てみよう!

 

札幌で生まれた昔から作られている野菜

おうちの食卓や学校の給食で欠かせない野菜は、農家の方々が作って、提供してくれているもの。札幌市内でも、さまざまな品種の野菜が栽培されているよね。その中には、「作るのが難しい」などといった理由から、だれも作らなくなってしまった野菜もあるんだって。

そんな中、昔から今日まで、ずっと守られ、作られ続けている野菜がある。それが、札幌伝統野菜なんだ。札幌市内で作られたもので、札幌の名前が付いたもの。さらに、今でも種(苗)があって、作ることができるものが、札幌伝統野菜と呼ばれるよ。

図1 札幌伝統野菜の定義

1 札幌市内で作られた野菜であること。
2 札幌(サッポロ)の名前が付いていること。
3 今でも種(苗)があり、作ることができること。

 

札幌伝統野菜どんな野菜があるの?

札幌伝統野菜には、次の5つの野菜があるよ。

まず1つ目は、〝札幌大球〟という大きなキャベツ。見たこと、食べたことがある子はいるかな? アメリカから入ってきた種が改良され、誕生した大玉のキャベツだよ。直径50~60㎝、重さは10㎏を超え、大きなものだと20㎏以上まで育つものもあるんだって!

2つ目が、〝札幌黄〟というタマネギ。これもアメリカのタマネギが原種で、改良とともに熱するとあまみとうまみが増す、優れた品種になったんだ。一時期は生産量が減ってしまい、「幻のタマネギ」と呼ばれていたけれど、最近は東区を中心に栽培農家が増えているよ。

3つ目は、〝サッポロミドリ〟というエダマメ。雪印種苗という会社が開発を進めてきた、札幌生まれのエダマメだよ。茶色のうぶ毛が無い、鮮やかな緑色が特徴なんだ。

4つ目は、〝札幌大長ナンバン〟。明治中期に岩手県から入ってきた品種で、北海道の気候に合うように改良されてきたよ。

最後の5つ目が、〝札幌白ゴボウ〟。真っすぐで、白いくきが特徴だよ。

 

地元の野菜を守り続けよう!

これら5つの伝統野菜は、私たちの地元の大切なものなんだ。野菜には、日本全国どこにでも売っているものがたくさんあるけれど、このような伝統野菜があることをほこりに思い、守り育てていくことが大切だよね。

さらに、地元で作られたものを地元で食べる〝地産地消〟にもつながるよ。もし、みんなも札幌伝統野菜を見つけたら、手に取ってみてね。そして、ぜひ味わってみよう!

図2 札幌伝統野菜は5つあるよ!

札幌大球
収穫時期:10月下旬~11月上旬
重さが10kg以上にもなる、巨大キャベツ。外側がいたんでも食べられる部分があるので、冬場の保存がきく。厚みがあり、あまくてしっかりとした食感が特徴で、漬け物やお好み焼きなどに使われている。

札幌黄
収穫時期:9月初旬
アメリカの“イエロー・グローブ・ダンバース”というタマネギが原産。肉厚で、加熱するとあまみが増す、おいしいタマネギ。カレーなどに最適で、飲食店や食品会社などの加工にも使われている。
札幌大長ナンバン
収穫時期:7月下旬~10月中旬
岩手県から入ってきた品種を、北海道の気候に合わせて改良。からみが結構強く、つくだ煮などにしてもおいしい。
サッポロミドリ
収穫時期:8月上旬~9月初旬
茶色のうぶ毛が無く、鮮やかな緑色がきれいなエダマメ。実入りが良く、あまみがあるので、国内でもトップクラスの人気品種。
札幌白ゴボウ
収穫時期:9月下旬~11月上旬
明治時代に始まった北海道のゴボウ栽培。真っすぐで白いくきの品種を「札幌」の名前で定着させたのが由来といわれている。

 

地元の野菜を守り続けよう!

これら5つの伝統野菜は、私たちの地元の大切なものなんだ。野菜には、日本全国どこにでも売っているものがたくさんあるけれど、このような伝統野菜があることをほこりに思い、守り育てていくことが大切だよね。

さらに、地元で作られたものを地元で食べる〝地産地消〟にもつながるよ。もし、みんなも札幌伝統野菜を見つけたら、手に取ってみてね。そして、ぜひ味わってみよう!

 

学校給食に札幌伝統野菜を!

清田区の小中学校の取り組み

三谷先生

札幌市内の小中学校の学校給食でも、札幌伝統野菜は使われているよ。特に、清田区では、いろいろな伝統野菜を取り入れているんだって。今回、平岡公園小学校の栄養教諭・三谷先生に、お話を聞いてみたよ!

Q.給食にどんな札幌伝統野菜を使っていますか?
A.清田区で作られた札幌大球、札幌白ゴボウ、サッポロミドリと市内で作られた札幌黄を取り入れています。

Q.札幌伝統野菜から、どのようなことを学ぶことができますか?
A.自分が住んでいる地域で作られた札幌伝統野菜を味わうことで、生産者の方々の苦労に感謝し、食べ物を大切にする気持ちにつながっていると思います。平岡公園小学校では、生産者の方へお礼のお手紙を送っています。お返事もいただいているので、そのようなつながりはとても大切だと思います。

Q.給食以外では、どのような取り組みをしていますか?
A.平岡公園小学校では、雪印種苗さんとJAさっぽろさんのご協力で、教材園でサッポロミドリを育てています。大きな札幌大球を玄関に置いて、重さ当てクイズもしていますよ。こういった活動を通じて、札幌伝統野菜を学んでいってほしいと思っています。

 

札幌伝統野菜を調理してみよう!
レシピ★札幌白ゴボウピラフ


平岡公園小学校の三谷先生に、札幌白ゴボウを使ったピラフのレシピを教えてもらったよ。おうちの人といっしょに作ってみてね!

材料(4人分)
・米 2合
A  ・バター10g
    ・塩 小さじ1/4
  ・白ワイン 小さじ1/2
・水 米2合分
・ベーコン 30g
・ニンジン 40g
・タマネギ 120g
・ホールコーン 30g
・白ゴボウ 100g
・パセリ 少々
・サラダ油 小さじ1
・しょうゆ 大さじ1/2
・塩 小さじ1
・こしょう 少々
・ニンニク 少々

作り方
1.米は洗って、2合分の水と調味料Aを入れてたく。
2.ベーコンとニンジン、タマネギは小さめの角切り、白ゴボウはささがき、パセリとニンニクはみじん切りにする。
3.フライパンにサラダ油を熱し、ニンニクとニンジンをいためる。ニンジンに火が通ったら、白ゴボウ、タマネギ、コーンをいためて、調味料で味付けする。
4.たきあがったごはんに、③の具とパセリを混ぜ合わせてできあがり。

 

監修:札幌農業協同組合 経済部 営農販売課