旭山動物園の飼育スタッフ・鈴木悠太さんが動物や動物園、自然について紹介するコーナーです。

1・2・3月号で取り上げる動物は…「シマフクロウ』

フクロウ目 フクロウ科
【生息地】北海道周辺とユーラシア大陸極東沿岸地域

旭山動物園では4羽飼育しています

 

羽音がバサバサ

みなさんシマフクロウという鳥を知っていますか?知らない人が多いかもしれませんね。それもそのはず、野生のシマフクロウを簡単に見ることができないからです。今回はそんなシマフクロウを紹介します。

シマフクロウは、日本では北海道の東側を中心に生息しています。日本に生息しているフクロウの仲間では、最も大きいフクロウです。川の近くに生息し、魚を主食として、カエルなどの両生類や鳥類、小型の哺乳類などを食べます。

一般的なフクロウの仲間は、ネズミなどに気付かれないように羽ばたいても音がしない進化をしました。しかし、シマフクロウは空を飛ぶとバサバサと羽ばたく音がします。それは、シマフクロウが主食とする水の中にいる魚には、羽ばたく音は伝わらないからです。

親子4羽

 

旭山動物園で初めて繁殖に成功!

旭山動物園では2013年よりシマフクロウの飼育を開始しました。飼育を開始した目的は、飼育技術の習得と飼育個体が1カ所に集中していたので、病気などが発生したときに備え、飼育地を分散するためでした。

2016年から繁殖を試みるために新たなペアを迎え入れ、繁殖のチャレンジを開始しました。2017年はオスとメスが鳴き交わしを行い、産卵までいきましたが卵は無精卵でした。

2018年も鳴き交わし、産卵が確認され、卵は有精卵で、ついにヒナが生まれました!子育てにはオスもエサをとって運ぶという形で協力し、ヒナは順調に成長していきました。現在は親と見分けがつかないほど大きくなり、無事に大人になりました。

巣立ち後のヒナ

 

あさひやまニュース


キリンの子どもの愛称が「永友」に決定!

今年生まれたキリンの子どもの愛称が決定しました!その名も「永友(えいと)」。性別はオスでした。おそらく「永友」は2才までに他の園館に行くことになります。なぜなら、トラックに乗って移動するときに、身長が大きくなりすぎるとトンネルを通れなくなってしまうからです。

 

教えて! 鈴木さん

鈴木さんが、みんなからの質問に答えるよ!

Q.なんであたたかいところにすんでいるどうぶつは、ほっかいどうですごせるの?

A. 動物たちの寝室には暖房を入れて暖かくしているからです。でも、ずっと寝室で暮らすのではなく、1日に数時間だけでも外で過ごすようにしています。動物たちは気温の変化に対応できる柔軟性を持っているからです。

私たち人間も冬の始まりの0度は寒くてつらいと感じますが、春の0度は暖かく感じますよね? そういった動物たちの能力を引き出してあげるのも大切だと考えています。

 


旭川市 旭山動物園

旭川市東旭川町倉沼
TEL.0166-36-1104
http://www.city.asahikawa.hokkaido.jp/asahiyamazoo/

協力・監修/旭川市 旭山動物園