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2019年4月にアイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律『アイヌ民族支援法』が成立し、初めて〝先住民族〟と法律に明記されることとなったよ。そんなアイヌについて学んでいこう!

アイヌの歴史を知ろう

アイヌの人たちは、北海道を中心に、サハリン(樺太)や千島列島などでくらしてきた先住民族だよ。動物や植物、火や水などのほか、うすやきねといった生活用具など、人間が生きていくために必要なものや、病気など人間の力ではどうすることもできないものを〝カムイ(神)〟として敬い、アイヌとカムイが支え合って生きているという考えを持っていたんだ。

北海道でアイヌ文化が成立したのが、今から800年ほど前といわれている。アジア大陸や本州の北部と、狩りや漁でとった物と、鉄製品や服、米などと、自分たちの意思で自由に交易していたよ。しかし、江戸時代になって北海道の南部に松前藩が置かれると、アイヌの人たちに不利な条件で交易が進み、アイヌと和人(本州から来た多数者)との間に戦いが起こるように。和人の力がどんどん強まってきた1869年、日本政府によって、アイヌが暮らして来た島は〝北海道〟と名付けられ、アイヌ民族を日本国民としたんだ。

さらに、政府はアイヌ民族を〝旧土人〟と呼んで差別し、1899年に『北海道旧土人法』という法律を制定。狩りや漁が中心だったアイヌの人の生活を農業中心の生活に変えて、入れずみや耳かざりといったアイヌの風習を禁止。アイヌ語ではなく日本語を使うようにと、同化政策を進めていったんだ。

アイヌ文化を未来につなげよう!

1997年には『アイヌ文化振興法』という新しい法律ができ、学校や地域にアイヌ文化がより広く知られるように。アイヌ文化を受け継ぎ、残し、発展させるための活動にも、国などが積極的に補助することになったよ。そして、2019年4月、アイヌ民を支援する新しい法律『アイヌ民族支援法』が国会で成立。初めて、法律で〝先住民族〟と紹介されたんだ。

また、国は北海道白老町に、アイヌの歴史や文化への理解を広げる拠点〝民族共生象徴空間〟を2020年4月 日にオープンさせるよ。家族や友達など、みんなで訪れたいね。

ウポポイ(民族共生象徴空間)

ウポポイの主要施設  ・国立アイヌ民族博物館・国立民族共生公園・慰霊施設

住  所  北海道白老郡白老町若草町2
営業時間  9:00~17:00(予定) 
休 業 日  毎週月曜日(祝休日の場合はその翌日)及び年末年始
料  金  未定
くわしくは https://ainu-upopoy.jp

画像提供:文化庁 ※本画像は、イメージ図です。

参考文献:公益財団法人 北海道アイヌ協会HP、小学生用副読本『アイヌ民族:歴史と現在 -未来を共に生きるために-』(公益財団法人 アイヌ民族文化財団)

 

アイヌの人たちの現状を知ろう!

今のアイヌの人たちは、どのような暮らしをしているんだろう? 北海道環境生活部が2017年に行った
「アイヌ生活実態調査」から見ていくよ。

北海道が2017年に行った「アイヌ生活実態調査」によると、アイヌの人たちは63市町村に5,571世帯、1万3,118人が暮らしているよ。ただ、この調査は北海道居住のアイヌに限定され、かつ全国的な実態調査も行われていないため、実際はもっと多くのアイヌの人がいるとみられているよ。

さらに、この調査では差別に対する質問も行っており、「差別を受けたことがある」が23.2%、「自分に対してはないが、他の人が受けたことを知っている」が 13.1%と、まだまだ差別が残っているんだ。

また、高校への進学率は 95.1 %と、進学率は向上しているけれど、大学進学率は 33.3%と、住んでいる地域の人と比べると12.5ポイントも低くなっている。

生活に困っている人にお金が支払われる生活保護の割合も、地域に比べて1.1倍と、アイヌの人の苦しい現状が分かるね。

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