画像提供:ナマーラ北海道

みんなは、「パラスポーツ」という言葉を聞いたり、実際に競技を見たりしたことはあるかな?年々、パラスポーツの種類も参加人口も増えていて、その知名度も向上しているんだ。今回は、パラスポーツについてくわしく見てみよう!

 

みんながいっしょに楽しめるパラスポーツ

「パラスポーツ」とは、障がいがある人が行うスポーツのこと。テニスやサッカー、陸上、スキーなどの他、ボッチャやゴールボールなどパラスポーツ独自の競技があるよ。

障がいがあっても「スポーツを楽しみたい」という気持ちはみんな同じ。道具やルールを考えたり、障がいの度合いによってハンデを付けたりと工夫することで、みんなが同じスタートラインに立って、自分に合ったスポーツを楽しめ、全力で競い合えることがパラスポーツの最大の魅力だよ。

手や足などが不自由な肢体障がいや、耳の不自由な聴覚障がい、目の不自由な視覚障がい、知的障がいと、障がいの種類や度合いによって、参加できる競技が決められているよ。

 

パラアイスホッケー パラリンピック銀メダリスト
永瀬充さんにお話しを聞きました!

―どうしてスポーツをするのですか?スポーツをするときに、大変なことや難しいことはないですか? (小5・はるさん)

永瀬さん 「元々スポーツをするのが好きなので、好きなことをやっているだけです。道具やルールを工夫することで、スポーツをすることが大変ではなくなるのがパラスポーツの良いところです。専用の車いすで、専用のルールでやれば、障がいは消えるので、全然大変ではありません。

初めてのことが難しいのは、最初はだれでも同じ。練習をしていくうちに上手になります。自分に合ったスポーツを探すのも楽しみの1つで、自分に合ったものに出合えるかどうかも、みんな同じだと思います。子どもたちには、いろいろなスポーツに挑戦してほしいですね。」

プロフィール

バスケットに打ち込んでいた高校1年のときに足首から下の運動障がいや手のふるえなどの神経の難病を発症。19才のときにパラアイスホッケーを始める。パラアイスホッケーの日本代表ゴールキーパーとして、1998年長野大会から4回連続でパラリンピックに出場。2010年バンクーバー大会では銀メダルを獲得。現在は、北海道新聞パラスポーツアドバイザーとして活躍。日本パラリンピアンズ協会理事も務める。

パラアイスホッケーとは
足に障がいを持つ人のためのアイスホッケー。「スレッジ」と呼ばれるスケートの刃を2枚付けた専用のそりに乗り、両手にスティックを1本ずつ持ってプレーする。「氷上の格闘技」といわれるほどとても激しいスポーツ。

 

パラスポーツにチャレンジ!フライングディスク

プラスチック製の円盤(ディスク)を投げて競う、シンプルなスポーツ。いろいろな障がいのある人がいっしょにプレーできることも大きな特徴。

飛距離を競う「ディスタンス」

ディスクを3回投げ、最も遠くに飛んだ地点までの距離を競う。

正確さを競う「アキュラシー」

5mまたは7m離れたアキュラシーゴール(直径91.5cmの円形)に向けて10回投げ、その通過回数を競う。

1年後の「東京2020パラリンピック」にも注目!!

パラリンピック夏季は22競技冬季は6競技

パラスポーツの中でも、パラリンピックで実施される競技を「パラリンピックスポーツ」というよ。東京2020パラリンピック競技の中からいくつか見てみよう!

迫力のタックル!! 
車いすラグビー

パラリンピック競技で、車いす同士がぶつかるタックルが認められているのは車いすラグビーだけ。車いすが激しくぶつかり合う、迫力のタックルが見どころ!リオパラリンピックでは日本が銅メダルを獲得。東京2020パラリンピックの活躍にも期待!

画像提供:SILVERBACKS

驚きのスーパープレー!
5人制サッカー

視覚障がいのある選手がプレーする5人制のフットボール。ゴールキーパー以外はアイマスクを着け、転がると鳴るボールの音や、仲間の声、ゴールの位置や距離、角度などを伝える「ガイド」の声をたよりにプレー。足にぴったりと吸い付くようなボールさばきは必見!

画像提供:ナマーラ北海道

地上のカーリング
ボッチャ

赤と青の各6個のボールを投げて、白いジャックボール(目標球)にいかに近付けるかを競う。高度な戦略が必要なことから「地上のカーリング」とも呼ばれている。メダルが期待されている日本代表チーム「火ノ玉JAPAN」に注目!

画像提供:札幌市障がい者スポーツ協会

 

子どもたちのための「パラスポーツクラブ―SAPPORO」設立

無料体験実施中!

子どもたちが、気軽にさまざまなパラスポーツを楽しんで挑戦できる、札幌市運営のクラブ。自分にピッタリの競技を見付けよう!

【対  象】   肢体不自由のある4歳~高校生

【活 動 日】   基本的に毎週土曜日15:00~17:00

【活動場所】 主に札幌市立札幌みなみの杜高等支援学校体育館

【会  費】   登録料5,000円、月会費3,000円
       ※今年度分一括払いの場合は会費20,000円

【今年度実施種目】 車いすソフトボール/車いすバスケットボール/車いすテニス/車いす陸上競技/パラアイスホッケー/シットスキー/アルペンスキー など

【お問い合わせ・お申し込み先(事業受託者)】
一般社団法人 HOKKAIDO ADAPTIVE SPORTS (北海道アダプティブスポーツ)
TEL:090-1524-5352
メール:h.adaptive.s@gmail.com

 

パラスポーツクイズ

みんなが楽しめるように、パラスポーツには工夫がたくさん。パラスポーツに関する下のクイズに答えてね!

①それぞれ何の競技でどのように使う道具かな?

ヒント 何かの合図をするための棒だよ

ヒント 座って使うよ

②アイマスクをつけて行うブラインドサッカーで、ボールを持っている人に向かって行くときにしなければならないことは?

「パラスポーツクイズ」の答え 

①⑴水泳で、視覚障がい者がかべにぶつからないようにターンやゴールを合図するタッピングバー。
⑵アルペンスキー競技に使うチェアスキー。
これ に座って雪上をすべるよ。

②「ボイ!」と声を出す。選手の存在を知らせ、危険な衝突をさけるためのルール。「ボイ」とはスペイン語で「行く」という意味。

 


取材協力 北海道新聞パラスポーツアドバイザー 永瀬充さん/札幌市スポーツ局スポーツ部