円山動物園だより|今月の動物:ハミルトンガメ

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円山動物園の飼育員さんが、動物や動物園、自然について紹介するコーナーです

『ハミルトンガメ』
カメ目/イシガメ科

【生息地】
パキスタン、インド北部、ネパール、バングラデシュのインダス川、ガンジス川流域

 

水玉模様とゴツゴツのこうら

ハミルトンガメは、熱帯地域の水草の多いきれいな池や沼、川などの水の中で暮らしています。黒と白の水玉模様が特徴的で、こうらには三角のボコボコがたてに3列あり、ゴツゴツしたかたいこうらで敵から身を守ります。オスはメスに比べてしっぽが長く、お腹側のこうらがへこんでいます。

頭が大きいことから、あごが発達していることが分かります。歯はありませんが、あごの力が強く、こうかく類や貝類などのかたい物も、するどいくちばしでからごとかみくだいて食べています。

大き目の2頭は甲長約13cm。 35cmぐらいまで成長します

良い生育環境で繁殖を目指す

円山動物園のセンターラボでは、約70種類のは虫類・両生類を研究、飼育しています。適応能力の高いほ乳類とちがい、は虫類や植物は環境が変わるとすぐに死んでしまいます。それぞれの生息地と同じ環境で飼育するために、温度、光、湿度、空気の流れなどの目には見えない要素を、細かく調整しています。植物が自然に育つのは、質の高い生育環境の証拠です。

ハミルトンガメを飼育する空間にも、生息地が表現されています。きれいな水の中を泳ぎ回ることができ、陸では日光浴もできます。カルシウムを吸収するために必要なビタミンDを作り出すため、紫外線を浴びる必要があるのです。また、産卵できるように深さ30cmの土があり、そこにはシダ植物が自然に育っています。

日光浴は、体温を上げ、皮ふ病予防にも
雨も降るようタイマーで管理しています

開発による生息地の減少やペット用の捕獲などにより数が減り、絶滅危惧種に指定されています。円山動物園にいる3頭は、密輸されて空港で保護された個体から生まれたものです。国内の動物園・水族館で飼育している個体は全て血統登録され、協力して繁殖させるための取り組みが進められています。

 

まるやまニュース     

「ちびっこ福引大会!」を開催!

下記の期間内に円山動物園に3回遊びに来ると、福引で動物園グッズをプレゼントするよ。冬も元気な動物にたくさん会いに来てね!

期間:2019年11月1日(金)~2020年3月31日(火)
対象:中学生以下
福引会場:動物園センター総合案内

 

教えて! 飼育員さん

飼育員さんが、みんなからの質問に答えるよ!

Q. もしも動物が脱走したらどうするの?

A.  動物が脱走したら、人にケガをさせてしまう可能性があります。そのようなことは絶対に起こしてはならないため、動物舎のドアのかぎがかけられているか、毎回しっかり点検しています。また、動物舎の点検をして、こわれた所はできる限り修理します。万が一に備えて、毎年行う動物脱出対策訓練では、避難誘導や動物を追いこんだ後にあみや麻酔銃を使ってつかまえる訓練をしています。

 


協力・監修/札幌市 円山動物園
札幌市中央区宮ヶ丘3番地1 TEL. 011-621-1426
http://www.city.sapporo.jp/zoo/