おびひろ動物園の飼育員さんが、動物や動物園、自然について紹介します。
取り上げる動物は…『ゴマフアザラシ』
ネコ目(食肉目) アザラシ科 ゴマフアザラシ属
【生息地】ベーリング海やオホーツク海、日本海や黄海など
脂肪をたっぷりたくわえ厳しい冬を乗り切る
野生のゴマフアザラシは北海道近海に生息し、海岸沿いや港の防波堤でも見ることができる、なじみのあるアザラシです。北海道の多くの動物園や水族館で飼育しています。体中にあるゴマをふりかけたような斑点模様が、名前の由来となっています。
野生では魚やイカ、タコをつかまえて食べます。潜水できる時間が長く、1回の呼吸で約30分間、海の中で魚を追うことができます。陸上での移動は苦手で、体全体を使ってゆっくりとはうように移動しますが、水中では体はしなやかになり、後ろ足を左右にふることで前に進み、短い前足でかじをとります。

おびひろ動物園では、えさとしてホッケとオオナゴを主にあたえています。えさの量は季節によって変えており、冬に向かっている今の時期は量を増やします。脂肪をたくわえて丸々としたアザラシは、厳しい冬でも屋外で過ごせます。
フワフワの白い赤ちゃん2~3週間でゴマ模様に
現在、おびひろ動物園では、父親の「カイ」、母親の「モモ」、娘の「ミナ」が暮らしています。ミナは2018年3月に生まれました。生まれたときは真っ白のフワフワとした産毛におおわれていましたが、白い産毛は2~3週間程度で抜け落ち、すぐに親と同じゴマ模様に変わっていきました。
親が子どもにあたえる母乳は、脂肪、栄養分が高く、子どもは急速に成長します。すぐに泳いで魚を食べるようになり、約1カ月で乳ばなれをします。ミナは順調に成育し、体の大きさも親に近づいてきました。
真冬になると、アザラシのプールは氷が張ります。氷を割りながら気持ちよく泳いでいる、たくましいアザラシの親子を見に来てくださいね。

おびひろニュース
キリンにおよめさんがやって来た!
9月27日(金)、東京都多摩動物公園よりアミメキリンの「ユルリ」(メス・2才)が、現在飼育している「メープル」(オス・4才)のおよめさんとして仲間入りしました。早く帯広の環境に慣れ、2頭がおだやかに過ごしてくれることを願っています。
教えて! 飼育員さん
飼育員さんが、みんなからの質問に答えるよ!
Q.なぜ、帯広市では、街の中でもエゾリスが活動できるの?
帯広市では、市街地の公園や住宅周辺に樹木がたくさんあります。動物園がある緑ヶ丘公園も街の中にありますが、自然豊かな環境であり、エゾリスのえさになるミズナラ、カシワ、オニグルミの大木が多くあります。エゾリスは冬眠しないので、1年中活動している姿を観察することができます。
おびひろ動物園
帯広市字緑ヶ丘2
TEL. 0155-24-2437
https://www.city.obihiro.hokkaido.jp/zoo
協力・監修/おびひろ動物園