おびひろ動物園では16頭を飼育しています

 

おびひろ動物園の飼育員さんが、動物や動物園、自然について紹介します。

 

取り上げる動物は…『アカカンガルー』

双前歯目カンガルー科カンガルー属
【生息地】オーストラリア

 

地位を決めるためにたたかうオスたち

アカカンガルーは、オーストラリアにすむ有袋類の中で最も大きな動物です。オスは体長150㎝にまで成長し、しっぽが最長100㎝以上と体と同じくらいの長さまで発達します。オスが大人になると、胸やわき、前足から作り出される赤い体液によって毛が赤くなるため、アカカンガルーと呼ばれます。メスは体液を出さないので、体の色は灰色です。

オス同士が繁殖期に見せるのが「キックボクシング」です。まっすぐに立ち上がり、前足を組み合わせ、しっぽだけで体を支えて後足で強れつなキックをくり出し、相手がにげるまでたたかいは続けられます。自分の地位を決めるためのたたかいなのです。

オス同士のはげしいたたかい!

お腹の袋の中で育つ赤ちゃん

メスは、出産すると同時に独特の子育てをしていきます。妊娠期間は約35日間で、誕生する赤ちゃんはおよそ1gと超未熟児。生まれたばかりの赤ちゃんは目も見えていませんが、お母さんがなめたあとをたどって、自分からお腹の袋(育児のう)に入ります。

袋の中で、おっぱいを見つけると2カ月間ぐらいは、ずっと乳頭に吸い付いたまま成長していきます。3カ月たつと袋の中で動き出すので、飼育員は赤ちゃんがいることに気づきます。5カ月を過ぎると袋から顔を出すので、動物園では初めて顔を出した日を誕生日としています。

ひなたぼっこをしながらゴロゴロくつろぐ

暖かい時期、アカカンガルーたちは屋外で過ごします。オスの多くはゴロゴロとねそべり、まるで休日のお父さんが家でのんびりしている姿のようです。一方、大きくふくらんだお腹で、大事そうに子育てをしているメスたちの様子も見ることができます。

人間の家庭でもよくある光景ですね。そんなアカカンガルーたちを、ぜひ観察してみてください。

おびひろニュース

豆まきイベントを開催しました

毎年、2月上旬の豆まきの時期、ニホンザルに落花生のえさやりをします。大好きな落花生が降ってくると、ニホンザルたちはかき集めて口の中におしこんで、後から安全な場所でゆっくり食べます。動物たちが病気をせず、健康であることを願い、「鬼は外!福は内!」のかけ声で行っています。

教えて! 飼育員さん

飼育員さんが、みんなからの質問に答えるよ!

Q.飼育員をやっていて、うれしいことは、ありますか?

A.動物園では生まれた子どもが親になり、その子どもが親となりと、子どもを産んで命をつないでいきます。出産が近づくと無事に生まれることを願い、生まれると「おっぱいを上手に飲めるかな」と心配になります。子どもたちがすくすくと育ち、成長していく姿を見続けることに、やりがいと楽しさを感じます。

 


おびひろ動物園
帯広市字緑ヶ丘2
TEL. 0155-24-2437
https://www.city.obihiro.hokkaido.jp/zoo

協力・監修/おびひろ動物園