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円山動物園の飼育員さんが、動物や動物園、自然について紹介するコーナーです
『エゾモモンガ』
ネズミ目/リス科
【生息地】北海道
音もなく空中を移動
エゾモモンガは北海道の森林に生息するリスの仲間で、札幌市内の公園や林にもすんでいる身近な動物です。足を左右に大きくのばし、前足と後ろ足の間にある皮膜を「帆」のように広げ、体全体で空気を受けながら、音もなく木々を飛び移ります。

鳥のように自由に飛ぶのではなく、木の高い所へ上り、低い所へと滑空します。地上に降りずに移動できるので、キツネやテンなどにつかまらず、安全に速く遠くまで行くことができます。道内で行われた調査では、49mもの距離を滑空した記録があります。

一生のほとんどを木の上で暮らし、植物の葉や樹皮、芽などを食べます。食べ物やすむ所など全てを木にたよっているため、森がなければ生きていけません。針葉樹や広葉樹などに開いた自然の穴や、クマゲラやアカゲラなどキツツキの古巣を、巣として利用します。
厳しい冬を越すための工夫
冬眠をしないため、厳しい寒さをしのぐことができる、太く保温性の高い木があるかどうかはとても重要です。若い木は穴も少なく、細くて保温性も低いので、太くて穴の開いた古い木や立ちかれた木など、さまざまな木を残して森を管理することで、エゾモモンガがすみやすい森になると考えられています。

夜に活動するため、実際に見たことのある人は少ないかもしれませんが、春になると繁殖相手を探して昼間に出て来ることがあります。円山動物園では、ハトのえさやニンジン、果物、小枝などをあたえています。日中はなかなか巣から出て来ませんが、えさをあたえた後の午前11時ごろや、日が落ち始める夕方がチャンスです。
まるやまニュース
「第14回アースデイin円山動物園子ども絵画コンクール展覧会」を開催
作品のテーマは「地球と生き物たち」。最優秀賞1点、優秀賞7点をはじめとする、小学生がかいた絵画67点を展示するよ。ぜひ見に来てね!
期間:4/18日(土)~5/17(日)
※4/22(水)、5/13(水)は休園
場所:第一レストハウス 入場:無料
教えて! 飼育員さん
飼育員さんが、みんなからの質問に答えるよ!
Q. 動物の赤ちゃんのお世話で気を使っていることは?
A. 赤ちゃんが生まれたときに、最初に確認するのが「赤ちゃんが自分で栄養をちゃんと取れるか」です。お乳を飲んで大きくなる動物の場合は、赤ちゃんが自分の力でお母さんのお乳を吸います。これが何よりも大切です。お乳を飲ませることもふくめて、動物の赤ちゃんのお世話はお母さんがします。ですから、私たち飼育員はお母さんが元気に気持ちよく過ごせるように気を使い、赤ちゃんの成長をそっと見守ります。
協力・監修/札幌市 円山動物園
札幌市中央区宮ヶ丘3番地1 TEL. 011-621-1426
http://www.city.sapporo.jp/zoo/