おびひろ動物園の飼育員さんが、動物や動物園、自然について紹介します。

 

取り上げる動物は…『フラミンゴ』

フラミンゴ目フラミンゴ科

【生息地】アフリカ、南ヨーロッパ、中南米の塩湖や干潟

 

あざやかなピンク色はえさの色素によるもの

おびひろ動物園では、ヨーロッパフラミンゴ、チリフラミンゴ、ベニイロフラミンゴの3種類のフラミンゴを飼育しています。野生のフラミンゴはアフリカ、南ヨーロッパ、中南米の湖や干潟に、数千羽程度の大きな群れで暮らしています。ピンク色から紅色のあざやかな羽の色は、えさとなる藻の中にふくまれる色素によるものです。くちばしの形は「への字」になっており、くちばしを水の中に入れ、水をはき出しながら藻だけを上手に食べることができます。動物園ではフラミンゴ専用のペレット状のえさがあり、そのえさに多くの色素がふくまれているため、いつでもあざやかな色のフラミンゴを見ることができます。

夕暮れ時、水辺に入るフラミンゴたち

特徴的な産卵と子育て

フラミンゴは水辺を好む鳥類で、片足で立っているイメージがあると思います。水の中に両足を入れていると体温が下がってしまうので、体の熱をできるだけ失わないように片足で立つことがあるといわれています。

産卵、子育ては独特で、卵を産む前に座りこんで、くちばしで周りの土をかき集め、バケツをひっくり返したような形の巣を作ります。卵を産んでから約1カ月間、オスとメスが交代で卵をかかえ、雨が降ってもじっと巣からはなれず、大事そうにしっかりとだきます。無事に卵からふ化したヒナは、親フラミンゴののどの部分から作られる「フラミンゴミルク」といわれる赤い液体を口移しで直接あたえられます。このフラミンゴミルクも藻の色素を多くふくむため、赤色です。メス親だけではなく、オス親もミルクをあたえることができます。

昨年、おびひろ動物園ではヨーロッパフラミンゴが、ふ化しました。体の大きさは半年ぐらいで親と同じぐらいに成長しますが、羽の色はまだ白く地味な色合いなので、すぐ見つけることができます。あざやかなピンク色になるまでには、あと1年以上かかると思います。

ヒナをだきかかえて、えさをあたえます

 

おびひろニュース

ゴマフアザラシが生まれました

4月19日(日)、2年ぶりにゴマフアザラシが出産しました。赤ちゃんはすくすくと成長し、泳ぎも上手になりました。体の色が白いのは3週間だけで、今は親と同じゴマ模様になっています。

教えて! 飼育員さん

飼育員さんが、みんなからの質問に答えるよ!

Q.動物もコロナウイルスにかかりますか?人間にうつりますか?

A.新型コロナウイルス感染症拡大の影響は、世界中の人間や動物たちにも広がっています。アメリカの動物園では飼育員からトラやライオンに感染した可能性があると報告されています。ネコからネコに感染した事例もあります。今回のウイルスは、まだ分からないことが多いので、今は動物の体調をよく観察し、自身の健康管理も注意しながら感染予防に努めましょう。

 


おびひろ動物園
帯広市字緑ヶ丘2
TEL. 0155-24-2437
https://www.city.obihiro.hokkaido.jp/zoo

協力・監修/おびひろ動物園