毎日の生活に欠かせない水道水。家でも学校でもお店でも、蛇口をひねると安全な水が出てきます。水道水は、どこからどのように運ばれてくるのでしょうか?

水源から家庭へどのように届くの?

手洗い、歯みがき、お風呂、トイレ、洗たく、料理…と毎日の生活に必要な水道水。蛇口をひねると、すぐに安全な水が出てきますが、その水はどこからどのように運ばれてくるのでしょうか?

図1では、水道水がどのようにみなさんの元に届くのかを紹介しています。地域によって、水源はダムや河川、地下水などさまざまです。水源の水は取水施設を通って浄水場できれいにされ、送水管、配水池、配水管、給水管を経て、各家庭に届きます。

たくさんの工程を経てつくられる水道水

水道水を安全できれいにするために、浄水場では水質に応じた浄水処理を行い、安全かどうか、きれいになったかどうか確認するため水質の検査も行います。また、各市町村などでは古くなった水道管を取りかえる工事を計画的に行い、耐震性の高い水道管への交換も進めています。

このように、水道水は多くの人たちの努力によってつくられています。むだにせず、大切に使いたいですね。

また、水源地の自然が豊かだと、水質も良くなります。水道水を安全でおいしい水にするためには、水源を保全することが大切です。

蛇口からいつでも勢いよく水が出るのはどうして?

浄水場できれいになった水は配水池に運ばれ、水量と水圧を調整されて配水管に送られます。戸建て住宅や5階くらいまでの建物であれば、その水圧によって各家庭へ届きますが、6~10階くらいの高層の建物はポンプを使って水をくみ上げることで、それぞれの蛇口へと届けることができます。

浄水場では、水をどのようにきれいにしているの?

浄水場は、水源からの水にふくまれる砂やにごりを取りのぞき、消毒をしてきれいにする所です。凝集・沈でん・ろ過・塩素消毒などを行い、安全できれいな水をつくります。

また、水質の分析の他、魚を使った水質の監視も行っています。市町村によって魚の種類は異なりますが、金魚やメダカ、コイ、ヤマメなどが使われます。魚の様子がいつもとちがうときは、取水を止めて水質検査をします。魚たちが私たちの水道の安全を守ってくれているのですね。

見たことある?進化している水道管

取水施設から浄水場までの間、水を送っている管を「導水管」といいます。そして、浄水場から配水池までの管は「送水管」、配水池から「配水管」を通って、さらに「給水管」に枝分かれし、各家庭へと運ばれていきます。

日本で初めて水道管ができたのは江戸時代のこと。当時は木で造っていました。明治時代からは鉄が使われるようになり、そして今は、「ダクタイル鋳鉄」という鉄も多く採用されています。ダクタイル鋳鉄は、衝撃に強く、耐久性や耐震性もあることから、水道管をはじめ、ガス管などにも用いられています。

また、場所などに応じてポリエチレン管、塩化ビニル管なども用いられています。

計画的に水道管を交換します
水がもれないよう、しっかりチェック

世界の水事情を見てみよう

2017年時点、世界では約22億人が安全に管理された飲み水を使用できず、このうち約1億4,400万人は、湖や河川、用水路などの処理されていない地表水を使用しています。

2015年9月の国連サミットで採択された持続可能な開発目標「SDGs」では、 2030年までに世界が達成すべき目標の1つとして、すべての人が安全で安価な飲み水を入手できることをかかげています。

安全な水とトイレを世界中にSDGs 6.1

2030年までに、世界のすべての人々が安全で安価な飲料水をいつでも使えることを目指しています。

出典:(公財)日本ユニセフ協会ウェブサイト(安全な水)

 


監修:北海道 環境生活部 環境局 環境政策課