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北海道に生息しているヒグマ。近年、「問題グマ」と呼ばれるヒグマが増えていることを知っていますか? 北海道に暮らす私たちにとって、とても身近な野生動物ですが、どのようなことが問題になっているのでしょうか? ヒグマを知ることから始めましょう。
北海道に暮らすとても大きなクマ
ヒグマは、北半球のさまざまな地域に生息するクマで、日本では北海道だけにすんでいます。北海道にはさまざまな野生動物がいますが、ヒグマが最も大きく、ほとんどの山や森にいて、札幌などの大きな都市のとなり合った森の近くにも生息しています。ヒグマは私たち北海道に暮らす人々にとって、とても身近な野生動物です。
正確な数を知ることは難しいですが、全道で約10,600頭生息していると考えられています。天塩・増毛、積丹・恵庭地域は、環境省のレッドリストで「絶滅のおそれのある地域個体群」に選定されています。
大人のヒグマの体長は、オスが約2m、メスが約1.5mと大きく、時速50㎞以上の速さで走ることができます。木に登るのも上手です。春から夏にかけて、木の芽や草を食べ、秋は昆虫やサケ・マスなどの魚、果実や草をたくさん食べて冬眠に備えます。寒い冬の間は、何も食べずにじっと眠りますが、母グマは冬眠中に赤ちゃんを産みます。
鼻がきき、数㎞先や土の中の物のにおいもかぐことができます。また、耳も良く、遠くの物音も聞き取ることができるので、人の物音を聞くとヒグマの方からはなれていきます。ただ、風が強い日や川沿いでは、ヒグマに音が届かない場合もあるので注意が必要です。
「問題グマ」増加の原因とは?
近年、ヒグマが住宅街に姿を現すことが増えています。農作物やごみの味を覚え、人への攻撃性を持ったり、畑や民家に近づいたりするのです。そういったヒグマたちのことを「問題グマ」と呼びます。山にいるヒグマが問題グマになる原因は、秋にドングリなどの木の実が実らない、放置された農地・果樹園が森林の近くにあり、市街地と森林がつながっていて、結果として人の近くに出てしまうということなどがあります。
人間とヒグマが共に暮らしていくためには、まずヒグマを人里に近づけないことが大切です。そのために、家庭菜園に電気柵を付けたり、市街地と森林の間の草をかったり、生ごみをしっかり片付け、ポイ捨てを減らしたりすることが有効です。みなさんもヒグマとの付き合い方について、考えてみてください。
お互いを守るために
電気柵の設置
近づくと危ないことをヒグマに警告することができます。札幌市では、1世帯につき1シーズンに限り、家庭菜園向けの電気柵の貸し出しを行っています。
草かり
ヒグマには、見通しの良い場所をさけ、やぶなどで自分の体をかくしながら行動する習性があります。市街地と森林の間の草をかり、人とヒグマの距離を保つことが必要です。
生ごみの処理
ごみをポイ捨てしない、生ごみを野外に放置しないことが大切です。
ヒグマに出あわないために
- 1人で野山に入らないようにしましょう。
- 山の中に入るときは、すずをつけたり、大きな声を出したりしながら歩きしましょう。
- 早朝や夕方など、うす暗いときは山に入らないようにしましょう。
もし出あってしまったら・・・
すずをつけたり、声を出したりしていても、ヒグマに出あってしまう場合もあるかもしれません。そういうときは、以下のことに気を付けましょう。
遠くにヒグマを見つけたら…
落ち着いて状況を判断しましょう。ヒグマがこちらに気づいていないなら、その場を静かに立ち去りましょう。
ヒグマがこちらに気づいていたら…
ヒグマが移動する方向を見定めながら、静かに立ち去りましょう。あわてると事故につながるので、まず落ち着くことが大切。普通にしていれば、ほとんどのヒグマは立ち去るはずです。
それでも近づいてきたら…
ヒグマから目を離さないようにしましょう。そして、ヒグマの動きを見ながらゆっくりと後ずさりして、ヒグマと距離をとるようにします。ヒグマが突進してきても、あわてて走ってにげないようにしましょう。
その他、大声を出す・走ってにげる・石を投げるなどは絶対にしないようにしましょう。ヒグマを刺激してしまいます。あと、子グマの近くには必ず親グマがいるので、子グマを見つけたら絶対に近づかないようにしましょう。 |
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[問い合わせ先 ]
北海道環境生活部環境局自然環境課野生鳥獣係
TEL.011-204-5205
監修:北海道環境生活部環境局自然環境課
参考資料:北海道『ヒグマパネル展資料』、斉藤奈津子氏『ヒグマが街にやって来る』