寒い冬は、暖房などでたくさんのエネルギーを使う季節。でも、少し工夫すれば省エネができるのです。ここでは、環境忍者えこ之助と、うっかり侍むだ蔵が、冬に心がけたい省エネ方法を紹介します!

地球温暖化によるさまざまな影響

地球温暖化が進む今、海面水位の変化、洪水や干ばつなど、私たち人間の生活や自然への影響が観測されています。北海道でも、大雨や強い台風などにより農作物の質が変化するなど、さまざまな影響が出ています。

温暖化がこれ以上進まないようにするために、私たちは毎日の暮らしの中で発生する二酸化炭素(CO₂)を減らしていかなければなりません。その方法の1つが、省エネの取り組みです。

エネルギーのむだづかいを無くそう

寒い日には暖房が欠かせないですが、設定温度を20℃にして1枚多く服を着たり、だれもいない部屋の暖房のスイッチを消したりすれば、省エネにつながります。省エネのポイントは「むだをなくすこと」。表1では環境忍者のえこ之助が、うっかり侍むだ蔵といっしょに、Save=節約、Select=選択、Shift=転換の3つのSに分けてコツを紹介しています。ぜひみなさんもチェックして、省エネに取り組んでみてください。

[表1]
みんなはこんなうっかりをしていないかな?
えこ之助がチェックするでござる!

ニュースでときどき耳にする「脱炭素社会」って?

みなさんは、ニュースなどで「脱炭素社会」や「2050年温室効果ガス実質ゼロ」という言葉を見聞きしたことはありますか? 一体どのような社会や目標なのでしょう。ここで少し解説します。

「脱炭素社会」は、CO₂などの温室効果ガスの排出量が実質ゼロである社会のこと。実質ゼロというのは、温室効果ガスの排出量と回収量がつり合っている状況を指しています(図1)。

2018年に気候変動の国際組織IPCCが「気温上昇リスクをよりおさえるためには、2050 年までに排出量を実質ゼロにすることが必要」と発表し、これを受けて「2050年までの脱炭素社会の実現」が世界的な目標となりました。

私たちの住む北海道や日本も、2020年3月に鈴木直道知事が、2020年10月に菅総理大臣がそれぞれ「2050年実質ゼロ」を表明。脱炭素社会に向けた動きが本格化し始めています。

しかしながら、日本の温室効果ガス排出量は2018年に12億4000万tで世界5位の量。近年は減少傾向にあるものの、このままのペースでは2050年の実質ゼロはとても難しく、その達成のためには社会構造そのものを大きく変える動きが求められています(図2)。

例えば、あらゆるエネルギーの利用において、石炭や灯油などの化石燃料から、太陽光や風力などの温室効果ガスを排出しない再生可能エネルギーにその多くを切りかえること。また、化石燃料を使うにしても、省エネを今まで以上に積極的に行い、限りなく少ない排出量とすることなどがあげられます。

地球温暖化は遠いようで、とっても身近なこと。私たち1人1人がこれらの動きを認識し、身の回りから行動していければ、北海道の脱炭素社会化はそう遠くないかもしれません。

 


監修:北海道 環境生活部 環境局 気候変動対策課