円山動物園だより|今月の動物:シロテテナガザル

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円山動物園の飼育員さんが、動物や動物園、自然について紹介するコーナーです

円山動物園にはオス1頭とメス1頭がいます。

今月は…『シロテテナガザル』

霊長目/テナガザル科

【生息地】中国南西部や東南アジアの熱帯雨林

森のソプラノ歌手

シロテテナガザルは、まるで手袋と靴下をはいているように手足の先が白く、顔の周りも白いのが特徴です。うでの長さは身長の1.5倍もあり、親指以外の4本の指を引っかけて、枝から枝へ素早く移動する「ブラキエーション」で森の中を動き回ります。地上から20m以上の高い木の上で生活し、めったに地上には下りません。果実や木の実、新芽などを食べます。とてもかしこく、警戒心が強く、霊長目ではめずらしく昼寝をしません。夜には木の上で、幹にもたれながら体育座りのような姿勢でねむります。

身長の1.5倍もある長いうで

オスとメスは一度ペアになると生涯いっしょで、両親と子どもの4~5頭の家族単位で暮らします。家族のきずながとても強く、「ウゥッウゥッウーーー」などと何種類も鳴き声を使い分けてコミュニケーションを取ります。歌うようなとても美しい声で、その発声方法はソプラノ歌手とほぼ同じといわれています。2~3km先までも声は届き、オスとメスが鳴き合うと、森に美しいデュエットがひびきわたります。

ラーチャがおよめ入り

円山動物園には、オスのコタローとメスのラーチャがいます。ラーチャは、市川市動植物園から10月に来園しました。優しいコタローと人なつっこいラーチャはすぐに打ち解けて、毛づくろいをしたり、1カ月後には鳴き合ったりするようになりました。

コタロー(左)とラーチャ(右)

野生のシロテテナガザルは、森林の破壊や乱獲によって数が減り、絶滅が心配されています。円山動物園では、コタローとラーチャの赤ちゃんの誕生を願って、ストレスのない環境を整え、栄養状態に気を付けながら飼育をしています。

夕暮れどきになると、ねむる位置に移動します

まるやまニュース     

干支展「丑」の開催!

来年の干支「丑(牛)」をテーマに展示をするよ。円山動物園で飼育している牛の仲間や、みんなが食べているお肉や牛乳について学ぼう。令和3年1月1日(金・祝)~3日(日)は、各日300名の方に絵馬をプレゼントするよ!

日程:令和2年12月3日(木)~令和3年1月5日(火)
   ※12月9日(水)、23日(水)、29日(火)~31日(木)は休園

場所:動物園センター情報ホール

教えて! 飼育員さん

飼育員さんが、みんなからの質問に答えるよ!

Q. フクロウは空を飛べるの?

A.  体が軽く、つばさが大きいので飛ぶことができます。体のほとんどは羽でおおわれていて、骨はパイプのように穴が開いているためとても軽いのです。つばさは体に比べてはばが広くて大きいため、体がうきやすくなっています。自分の体重の倍以上ある野ウサギをつかんでいても飛べます。また、フクロウの羽はふちがギザギザしていて、他の鳥よりも羽がやわらかいので、静かに飛ぶことができます。

 


協力・監修/札幌市 円山動物園
札幌市中央区宮ヶ丘3番地1 TEL. 011-621-1426
http://www.city.sapporo.jp/zoo/