円山動物園だより|今月の動物:エゾシカ

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円山動物園の飼育員さんが、動物や動物園、自然について紹介するコーナーです

今月は…『エゾシカ』

クジラ偶蹄目/シカ科

【生息地】北海道全域

 

毛の色を変えて森の中でかくれんぼ

エゾシカは北海道全域に生息しています。森の中で姿がまぎれるよう、季節に合わせて毛の色が変化します。冬は木の幹に似たこい灰褐色。夏は明るい茶色に白い水玉模様ができ、木もれ日の中に姿をまぎれこませます。ふんわりとしたおしりの毛は一年中白く、危険を感じるとぼわっと約2倍にふくらみます。警戒行動には3段階あり、まずは「じっと動かずに相手を観察する」、次に「高くジャンプしてアピールをしながらにげる」、最後は「猛ダッシュでにげる」です。170cmぐらいの高さまで、ジャンプをすることができます。

するどくとがった枯角が生えた冬毛のオス

オスには立派な角があり、秋の繁殖期になると、メスを取り合ってオス同士が角をぶつけ合って戦います。オスにとって大切な角は一年に一度生え変わります。生え始めの角は「袋角」とよばれ、短い毛の生えたやわらかい皮ふにおおわれ、血が流れています。秋には血が流れなくなった皮ふがはがれ、かたい「枯角」になります。

さわると温かい袋角が生えた夏毛のオス

円山動物園にはオス1頭とメス3頭がいます。メスよりも一回り体が大きいのがオスです。繁殖期には、野生でも1頭のオスと複数のメスで群れを作り、10種類以上の鳴き声を使い分けて仲間とコミュニケーションを取ります。

北海道がかかえるエゾシカ問題

人間のせいで、天敵であるエゾオオカミが絶滅したことや、人間がエゾシカの生息地の近くまで畑や牧草地にしてしまい、栄養の豊富なえさを食べられるようになったことなどが原因で、エゾシカの数が増え過ぎてしまいました。これによって、エゾシカが畑をあらしたり、車や電車と衝突したり、いろいろな問題が起きています。エゾシカと共存していくにはどうしたらよいか考えてみてください。

危険を感じるとふくらむおしり

まるやまニュース     

地下鉄の駅構内に開園70周年ポスターを掲示

円山動物園は5月5日(水・祝)に開園70周年を迎えるよ。今年開業50年を迎える札幌市営地下鉄とタイアップして、全ての地下鉄の駅構内(46駅)にそれぞれちがう動物のポスターを掲示しているので、ぜひ見てみてね!

 

教えて! 飼育員さん

飼育員さんが、みんなからの質問に答えるよ!

Q. 動物はどうやって冬眠をするの?

A.  冬眠とは、地面にほった穴や木の穴、木の皮の隙間や落ち葉の下、さらには雪の中などで、体温を下げてじっと体を動かさずに、気温が低くえさの少ない冬を乗りこえることです。冬眠中は飲まず食わずで、ずっとねている動物もいれば、食事やおしっこのときだけ目を覚ます動物もいます。動物園では冬でもえさをたくさん食べられるため、基本的には冬眠しません。

 


協力・監修/札幌市 円山動物園
札幌市中央区宮ヶ丘3番地1 TEL. 011-621-1426
http://www.city.sapporo.jp/zoo/

 

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