おびひろ動物園では30頭飼育しています。

 

おびひろ動物園の飼育員さんが、動物や動物園、自然について紹介します。

取り上げる動物は・・・『ニホンザル』

哺乳綱霊長目/オナガザル科

【生息地】日本

 

 最も北に暮らすスノーモンキー

ニホンザルはサルの仲間(霊長類)の中で、最も北限にすんでいるサルです。北限ということは最も寒い所で暮らしているということです。北海道と沖縄県をのぞいた全国で広く分布していますが、青森県の下北半島に生息しているニホンザルが世界で一番寒さに適合している霊長類です。

ニホンザルは海外の人からは「スノーモンキー」と呼ばれ、寒い冬に雪の中で暮らしている様子がめずらしいようです。

函館市熱帯植物園で飼育されているサルたちは、寒い冬の間、温泉に入ることができ、のんびりくつろぐ姿が人気です。

雪の中のニホンザル

 

 リーダーとして一番大切なこと

おびひろ動物園のサル山では、現在30頭のニホンザルを飼育しています。来園者にニホンザルの説明をすると「ボスザルはどのサルですか?」と聞かれます。みなさんが思いうかべるボスザルは、どんなイメージですか。いつも一番高い所にいて、食べ物を真っ先に食べて、体が大きく、いばっているサルを連想する人は多いと思います。

サル山の社会にはルールがあり、すべてのサルに順位が決まっています。その第1位のサルがボスザルになります。群れの中でサル同士がケンカをすれば、真っ先に止めに入り、平和な暮らしを守ることが重要な役割になっています。

最近、動物園では「ボスザル」と呼ばずに「リーダーザル」と呼ぶようになっています。群れのサルから一目を置かれ、頼りにされ、「気は優しくて、力持ち」なサルが最もリーダーにふさわしく、長続きします。

自分が一番になりたいのではなく、周りのサルから認められることが一番大事なのです。みなさん、「ボス」と「リーダー」のちがいを分かっていただけましたか?

冬のサル山

 

 おびひろニュース

新型コロナウイルス感染症は、人間社会に大きな影響をあたえていますが、現在、道内各地で鳥インフルエンザに感染した鳥が見つかっています。鳥類が感染すると死亡する場合が多く、接触した鳥たちにも広がっていきます。動物園では鳥類施設に野鳥が入りこまないように、防鳥ネットを張り、鳥たちを守っています。コロナウイルスと同じで、感染症対策が重要なのです。

 教えて! 飼育員さん

飼育員さんが、みんなからの質問に答えるよ!

Q.野生のエゾモモンガが何びきも 飛んでいるのは家族ですか?

A.エゾモモンガは木に開いた穴にすんでいます。春から夏の子育ての時期は、お母さんと子どもたちだけで生活しています。厳しい冬を越すために、条件の良い巣穴には家族関係が無いモモンガたちが、多い時では10頭以上で身を寄せ合って寒さをしのぎ、暖かな春を待っています。


おびひろ動物園
帯広市字緑ヶ丘2
TEL. 0155-24-2437
https://www.city.obihiro.hokkaido.jp/zoo

協力・監修/おびひろ動物園