円山動物園だより|今月の動物:コツメカワウソ

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円山動物園の飼育員さんが、動物や動物園、自然について紹介するコーナーです

『コツメカワウソ』
ネコ目/イタチ科

【生息地】
インド、 中国、東南アジアの 河川の周辺等

円山動物園には オス1頭・メス1頭がいます。

 

泳ぎが得意で 手先が器用

コツメカワウソは最も小型のカワウソの仲間で、頭から尾の付け根までは40~65 cmほどあります。インド、中国、東南アジアの河川や周辺の陸で暮らしています。指先の水かきと長い尾を使って、水の中を自由自在に泳ぎ回ります。

水中では耳や鼻の穴を閉じて、6~8分ももぐることができます。指には小さなつめ(コツメ)があり、手先が器用。泳ぎながら両手で魚をつかまえ、かかえたまま陸に上がります。川底の岩を引っくり返して、カニなどをつかまえることもあります。

開発による生息地の破壊や密猟などにより、この30年で30%も数が減り、絶滅が心配されています。密猟された半分以上が、ペットとして日本へ密輸されているといわれています。

長いひげで獲物を感知!

冷たい水から体を守る二重の毛

円山動物園にはオスのサンと、メスのイヨカンがいます。毛はぎっしりと密に生えている下毛と、固い外毛の二重構造。毛づくろいをして空気をふくませると、水の中でも体が冷えにくくなります。ひと泳ぎした後は、麻袋の上で体をゴロゴロ。こうして、ぬれた体を念入りにかわかします。野生では砂地や草に背中をこすりつけてかわかします。

コツメカワウソは、とてもかしこい動物です。トレーニングにより、後ろ足と尾で立って体重測定をします。また、家族単位で群れを作り、12種類以上の鳴き声を使い分けてコミュニケーションを取ります。動画で鳴き声を聞くことができますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

かたいカニもかみくだく、するどい歯
立たせて体重測定をします

まるやまニュース     

 

ニホンザリガニの展示を始めました!

動物園センター内の情報ホールでニホンザリガニ(オス1頭、メス1頭)の展示を開始しました。ニホンザリガニは日本固有種で、北海道と東北3県(青森、岩手、秋田)の一部にのみ生息。近年開発や宅地化の影響により、数が減っています。みんなに興味を持ってもらい、絶滅の危機から守るためにできることを考えるきっかけにしてほしいです。

 

教えて! 飼育員さん

飼育員さんが、みんなからの質問に答えるよ!

Q. 動物のふんからどのようにたい肥を作るの?

A.  円山動物園では飼育している動物のふんを集めて、たい肥を作っています。たい肥は、ふんを専用の装置に入れ、微生物と混ぜて、空気を入れながら、かき混ぜて作ります。出来上がるまでに約10日間かかります。出来上がったたい肥は動物園内で肥料として使っています。今後は野菜を作る方にも使ってもらい、できた野菜を動物のえさとしてあたえ、ごみを出さない社会の実現に向けて取り組んでいきます。

 


協力・監修/札幌市 円山動物園
札幌市中央区宮ヶ丘3番地1 TEL. 011-621-1426
http://www.city.sapporo.jp/zoo/