今回、NPO法人のこたべ代表理事・平島竹琉さんと現在立命館慶祥高校1年生であり、株式会社αFRONTIER取締役社長でもある平松瑞翔さんの対談が実現。お2人の貴重な体験、SDGsと未来についてお話を聞いてみました。

 ターニングポイントが あって、今の自分がある

―お2人は、起業家という共通点がありますね。小さいころから、起業は身近な存在だったのでしょうか。

平島 母親が経営者ですので、その影響は大きいと思います。ビジネス書を読むことは好きでしたね。でも、中学生のときは社会とのつながりは全くといっていいほど無かったです。

平松 ぼくの父は、曾祖父の代から続く会社を経営していますが、自分が会社を立ち上げるということは、遠い話のように思っていました。中学生になって起業しましたが、小学生のときは中学受験のための勉強に時間を費やしていたので、起業のことなど考えていなかったですね。

―そんなお2人に、ターニングポイントが訪れたんですね。

平島 はい。高校では部活、勉強、国際交流の3つをすべてがんばりたいと思っていました。たくさんの学校説明会に参加しましたが、立命館慶祥のことを知って、ここだ!と思いました。入学した後、先生は他の職業を経験している方が多く、社会のことを知っているなと感じました。何かを企画して実行したいというときに、ビジネスの視点からもアドバイスをしてくれて、自然と起業家マインドが育っていきました。

平松 平島さんのように起業している先輩がぼくの通っている学校にいらっしゃったことが、刺激になりました。また、鷹松弘章さん(IT企業タブローソフトウェア開発マネージャー)の講演を聞いたこともターニングポイントとなりました。

平島 竹琉(ひらしま たける)
2001年生まれ。札幌市立向陵中学校、立命館慶祥高等学校出身。NPO法人のこたべ代表理事として、農業と教育を結びつけた事業発展に尽力している。

平松 瑞翔(ひらまつ みずと)
2005年生まれ。立命館慶祥には中学校から入学し、高等学校に内部進学。現在は高校1年生として学校に通いながらαFRONTIER代表取締役社長を務め、講演会の開催などを主な事業として取り組んでいる。

 多様性を認める雰囲気が チャレンジを生む

―新しいことに取り組む、ということに不安はありませんでしたか?

平島 最初は、目立つことをするとバカにされるかもという不安がありました。でも、生徒のみんなが『がんばってるじゃん!』と応援してくれて、ほっとしました。また、高校には、中学校からの内部進学生や高校からの入学生がいますが、お互いの存在がとても良い刺激になりました。先生方も、自分たちが学校外で取り組んでいることにもはげましの言葉をかけてくれました。

―個性を生かして挑戦することを大切にすることはSDGsの考え方にもつながりそうです。学校に、お2人を支えてくれる空気感があったんですね。

平松 はい。生徒のみんなも自分たちがやっていることを共有してくれる雰囲気があります。パソコンが得意な人、勉強が得意な人、人と話すのが得意な人、生徒それぞれの得意分野を生かして活動できています多様性を認め合っているからだと思います。 平島 当時の校長先生とも思い出があります。自分がやったことを認め、『よくがんばったね!』と声をかけてくれました。

平松 先生方が生徒1人1人の個性をふまえて、『こんなことやってみたらどう?』といろいろなことを探してきてくれたり、チャンスをあたえてくれました。 ―お2人の話を聞いて、1人1人のちがいを認め、みんなでがんばっていくことのすばらしさを改めて実感しました。まさにSDGsが目指す世界ですね。最後に、エコチル読者へメッセージをいただけますか?

平松 国によっては、貧しさなどから学ぶチャンスを得られない人たちがいます。ぼくは人の話を聞くのが好きで、そこから多くのことを学びました。SDGsに関わって、どんな人にも、『人の話を聞き、学ぶことができる機会』を提供したいです。

平島 世界にはSDGsという目標があります。2030年までに達成しようというものですが、世界中の人を仲間だと思い、いっしょにがんばっていきたいですね。

SDGsは国際社会共通の17のゴール

 

モデレーター

臼井 純信(うすい すみのぶ)
1977年生まれ 株式会社アドバコム代表取締役 子ども環境情報紙エコチル編集長